光和工業株式会社 | ステンレス加工 ( 板金、溶接、研磨など ) 専門のクリエイティブカンパニー

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CASE05
武藤圭太郎
建築設計事務所
岐阜県岐阜市
武藤圭太郎建築設計事務所
請負内容…住宅・オフィス用キッチン、浴槽、洗面化粧台 など
一級建築士・武藤圭太郎さんが率いる岐阜市の建築設計事務所。新築住宅・店舗・オフィス・クリニック・公共施設など幅広い建築物の設計を手掛けられています。「そこにしかない心地よさ、豊かさ」をコンセプトに、敷地のポテンシャルやクライアントの要望を読み解きながら常に新しい発見のある力強い提案をされており、近年では「馬喰一代長良本店」にて第6回中部商空間賞金賞、「ばんざい弁当」にて岐阜市景観賞など、数々の賞を受賞。武藤さんの手掛ける住宅やオフィスなどにおいて使用される、浴槽、キッチン、化粧洗面台などを担当させていただきました。
武藤圭太郎建築設計事務所
武藤 圭太郎様
光和工業株式会社
取締役・技術営業部長 松葉 恒雄
発想力のその先へ、
「世の中にない」ものを生み出すパートナーとして
武藤圭太郎
建築設計事務所
武藤圭太郎様
(以下 武藤様)
光和工業さんの存在を知ったのは、弊社が開催したオープンハウスに偶然足を運んでいただいた頃でしょうか。6年前くらいになりますね。ステンレス加工を専門とする会社が近くにあることを知り、印象に残っていました。
松葉
そうでしたね。お取引が始まったのは令和元年だったと思います。どのようなきっかけで弊社にお声がけいただけたのでしょうか?。
武藤様
当時私は、新しく瑞穂市にオープンする美容複合施設を担当していました。ボール状の天然石を敷き詰めた浴槽で全身浴を行う、というメニューがあったのですが、浴槽を理想の形状にするのにはプラスチック製だと型から作らなければいけないので時間がかかり、困っていました。そんな時、光和工業さんをふと思い出しました。介護用のステンレス浴槽を長年製造されている実績も決め手でした。
松葉
確かにステンレスは素材の特性上、曲げたり溶接したりと自由度が高いので、型も不要です。一品生産には向いているのかもしれませんね。
武藤様
そう思います。また、美容複合施設の施術メニューとして1日に何度も使用される浴槽は、掃除のしやすさと耐久性も必要でした。その点、ステンレスは錆びにくく、手入れしやすいという特徴がある。ぴったりだと思いました。
松葉
その後も武藤さんの建築事務所や、注文住宅などにおいてもご依頼いただきましたね。
武藤様
私は建物の設計だけでなく、住み手の想いや土地のポテンシャルを考えて意匠や構造、設備を考えるので家具など身の回りに現れるものは、すべてデザインし作っていきたいと思っていて。予算が許せば既製品を使わないようにしています。そのため、アウトドア好きな住まい手の住宅では、浴槽やキッチン、洗面化粧台など、いろいろ特注でお願いしましたね。「浴槽にタイヤを付けたい」ってお願いしたり(笑)。
松葉
浴槽にタイヤを付けて動かせるようにするって、面白い相談だなあと驚きました(笑)。
武藤様
気分や時間によって居場所を選び取ることができるキャンプのような家にしたくて、浴槽にタイヤを付けることを閃いたのですが、既製品の浴槽は樹脂でできているので加工が難しかったんです。そんな時、光和工業さんのオリジナルプロダクトブランド「FATE INDUSTRIES」から家庭用のバスタブ「SUSTUB」をリリースされて。一貫生産されているならタイヤを付ける加工もできるのではないかと思い、ご相談しました。
武藤様
また、「SUSTUB」の槽内は清潔感のあるホワイトと、外側は艶を消したシルバーというツートンカラーで、コントラストも可愛いなと思いました。内部も特殊なコーティングが施されていて手入れもしやすい。そもそもステンレス自体が汚れにくくて美しさが長持ちするメンテナンス性の高さと、機能性もより高まったのは住み手への提案として大変ありがたかったです。
松葉
浴槽の内外面には、特殊な防汚コーティング『ゼロテクト』®︎を施しています。『ゼロテクト』は釉薬技術より生まれた自然に優しい完全無機の超親水コーティングです。超親水の特性によって油性マジックの汚れも、水で流すだけでするりと落ちる効果が話題となり、公共施設などを含めた様々な分野での活用が進んでいます。
武藤様
高機能で素晴らしいですね。光和工業さんのプロダクトは機能性然り、どれもデザイン性が秀逸です。例えば松葉さんのお宅にも採用したスロップシンクも、シンプルで美しい。ガレージライフを楽しむ松葉さんに欠かせない手洗い場ですが、大人な住まいの雰囲気にぴったりマッチしています。
松葉
私の自宅のシステムキッチンも設計してくださいました。趣味のバイクやコーヒーなど、好きなものを楽しむことを重視した家なので、スタイリッシュなイメージが理想でした。金属の冷たさと木の温かみを組み合わせ、見た目の重厚感を出すため、天板を厚めにするなど、細かなデザインも新たな学びとなりました。また、ステンレスの無機質さと加工の豊かさは、空間への親和性も高いのだと再認識しました。
武藤様
ステンレスは仕上げのバリエーションも豊かになり、提案の幅が広がりましたよね。特にバイブレーションで艶を消して、鈍い質感を表現する加工はトレンドにもなっていて、キッチンの天板にも多く用いられるようになりました。透明感がありつつ、金属の無骨さも併せ持つステンレスは、見栄えも良いです。光和工業さんはそれを自由自在に加工できるので、すごい強みだなあと思います。
松葉
型抜きや鋳物の工法とは違い、一枚の薄いステンレスから成形するため、曲げて、継ぎ目を溶接し、研磨して、細部まで美観や心地よい手触りを追求しています。技術力がないと熱のかけ方で表面が波打ってしまうのですが、いかにひずみなく、真っ直ぐなラインを表現できるかが溶接技術の見せどころです。弊社では溶接、研磨においても細部まで熟練の技術者が手仕事にこだわり完全一体型に仕上げています。
武藤様
弊社事務所のキッチンもお願いしましたね。ショールームとしての機能も兼ねているため、一見キッチンに見えない無機質なキッチンが作りたかった。そのため「鈍い質感を出したい」、「角を立たせて金属ならではの無骨さを強調したい」といった私の要望を叶えてくれました。通常は一枚板を曲げて作るので角が丸くなるはずですが、触ると角がピンと立っていて気に入っています。
松葉
目指す意匠を提示していただければ、どれだけ近づけられるのかを一つひとつ検討して製造します。武藤さんの事務所のキッチンは、鈍い質感を出すために加工だけでなく、材料の選定から見直しました。通常は天板のトップ材には使わないNo.1という材料で、ガサガサ、ゴツゴツしている質感が出ますが、より素材感があってご要望にもマッチしているのかなと思い、ご提案しました。さらにそこへバイブレーション加工を施しています。
武藤様
光和工業さんのすごさは、どんな要望も叶えてくれる提案力と、天板とシンクを一体型で製造できる技術力ですね。世の中でもこれらができるメーカーさんは少ないです。今までは県外のオーダーキッチン会社さんに依頼していましたが、地元で、しかも技術力にも長けている光和工業さんであれば、当然メリットがあります。今後ももっとご依頼していきたいと思っています。
松葉
ありがとうございます。弊社も、面白い問いかけを武藤さんからいただきますが、その発想力に毎回ワクワクしています。そのほか、「ミラーステンレスを使用して棚と一体型になった、世の中にはない洗面化粧台を作りたい」とご依頼いただきましたね。我々も最適な工法、表現を一緒に考え、どうしたら実現できるかなと試行錯誤するのは発見があり、楽しいです。そんなモノづくりに携わることができるのも嬉しいです。
武藤様
ミラーステンレスの洗面化粧台は、シンプルな壁面を作りたかったので、棚と鏡面を一体型にできればすっきり見えるのではと考えていました。でも普通の鏡だとガラスでできているため、曲げるなどの加工はできなくて。光和工業さんなら、ミラーステンレスで鏡のような機能も残しつつ、無駄のない美しい化粧洗面台も作ることができるのではないか、という期待からご相談しました。
松葉
ちょうどミラーステンレスをつかった自社プロダクトを開発していたので、良いタイミングでご相談がきた!という感じでした(笑)。ミラーステンレスを使用し、鏡面部分以外はぼかし加工を施した特注品です。
武藤様
光和工業さんとお取引するようになって、設備の提案の幅や、できることが広がりました。お客様からの反応もいいですよ!私は設計をしている時に、「こういうの作りたいな」って閃くことが結構あるので、応えてくれる窓口があることは非常にありがたいです。できない、作れないと思っちゃうと発想も出てこなくなってしまうので、閃きを与えてくれる存在でもあるなと。そんな心強いパートナーがいることは、幸せですね。
松葉
そう言っていただけると、大変嬉しいです。建築分野におけるオーダーメイドのステンレス製品はこれから伸ばしていきたい分野だと思っていますので、当社も大変勉強になっています。武藤さんには今後、建物一棟すべてがステンレスの建造物など、それくらいやっていただけると面白いなあと思っています(笑)。
武藤様
工場とか大きな建物でしたら、実現できるかもしれませんね(笑)。ステンレスは自由度が本当に高いので、世の中にまだないものがたくさんできていく、そんな大きな可能性があると感じています。光和工業さんとなら、これまでにない意匠性、新しい提案を世の中にしていける。それが私も非常に楽しみです。
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