服部工業株式会社
請負内容…ガス回転調理釜のステンレス板金部品の製造 など
岡崎藩の御用鋳物師の世業を継承し、明治18年に鋳物業を開業した厨房機器メーカー様です。業務用厨房機器製造の先駆者的な会社で、現在は官公庁や医療施設、全国の学校給食センター、食品工場などへ設備提供をしていらっしゃいます。ガス回転釜やガス自動炊飯器などの開発から設計から製造販売、施工、メンテナンスまでを手掛けられており、弊社はステンレス製ガス回転調理釜の部品製造でお手伝いをさせていただいております。
服部工業株式会社
小豆坂事業所 商品開発部リーダー 中根 康貴様
服部工業株式会社
商品開発部 犬塚 雅士様
光和工業株式会社
設計主担当 藤村 雄二
共により良い製品を作ろうと、積極的に提案をしてくれます
藤村
服部工業様とのお付き合いは、10年ほどになるでしょうか。
服部工業株式会社
中根康貴様
(以下 中根様)
そうですね。厨房の環境を涼しく快適にする「涼厨」シリーズのガス釜開発が始まった頃、試作をお願いしたのが始まりですね。薄いステンレス板の加工が必要になるため、その技術に長けている光和工業さんならば安心してお任せできるのではないかという期待からでした。
藤村
ありがとうございます。現在も「涼厨」をはじめ、ステンレス製部品を必要とする釜のほとんどを請け負わせていただいております。私が窓口となって直接やり取りをさせていただくようになったのは最近ですが、図面はずっと書かせていただいていました。服部工業様から必要な部品リストと図面をいただいたら、毎回、加工用に図面を作り直しています。
服部工業株式会社
犬塚雅士様
(以下 犬塚様)
一般的な釜以外にも、ときには特別仕様の部品も作っていただいています。「こんな寸法でこんな形のものが欲しい」と大体の要望をお伝えして、設計はお任せする場合もありますね。
藤村
はい。そういったお話を受けた際に気を付けていることは多々ありますが、バリやひずみを減らすために溶接箇所を少なくすること、それとコスト的な面から既存の金型で加工ができることを意識しています。
中根様
私たちが製品において一番気にするところはやはりバリです。厨房は水仕事なので、調理や清掃時はふやけたような手で触ります。そういった時に、使用するお客様にけがをさせるようなことがあってはいけません。光和工業さんは浴槽を手掛けていらっしゃいましたから、肌に触れるという意味では製品への気遣いの仕方に共通点がありましたね。
藤村
そうですね。危なくなりそうなところは念入りにバリ取りをして、事前に対策していますし、最終的な検査の時にも実際に素手で触って危なくないかを確認しています。
中根様
また「涼厨」の製品は、製品としての見栄えも重視されます。特に、排気筒の溶接は上手くないとうねうねと曲がったように見えてしまうのですが、光和工業さんの部品はとてもきれいです。
藤村
ありがとうございます。それは長年培った溶接の技術によるところが大きいです。排気筒に限らず、最初は上手くいかないこともありますが、冶具を見直したり他分野での経験を生かしたりと社内で精査し、解決策を見出しています。
犬塚様
そうだったんですね。光和工業さんから改善点をご提案いただくこともありますよね。例えば、床が濡れないようにする専用排水受皿が付いた製品について、その付属部品の曲げの形状を変えても良いか、などの改善案をいただいた覚えがあります。
藤村
はい。加工のしやすさや効率化のために、見えない部分の形状を変えても差し支えないかをご相談させていただくことがありますね。
犬塚様
また、以前こちらから改善をお願いした部品があったのですが、光和工業さんのすごいところは、指示通りに直すだけではなくて今後のために予備のピースを 2つ作ってくださったことです。商品はお客様に納品してしまうと手元には残りません。いくら図面があるといっても、机上では確認できないこともあります。その際にこの予備ピースを参考にして、弊社と光和工業さんが確認しながら制作できるようにしてくださったんです。そういった互いに改善し合おうという積み重ねで今があると思います。
中根様
お互いが良い製品を作ろうと改善を積み重ねていかないと良い物はできませんからね。光和工業さんはその点、非常に協力的にやってくださるので弊社も信頼してお願いできます。
犬塚様
当社も、光和工業さんなくしては成り立たない場面もありますので、今後も一緒により良い製品を作っていきましょう。
藤村
ありがとうございます。こちらこそ、どうぞよろしくお願い致します。
左:犬塚様 中:中根様 右:藤村