光和工業株式会社 | ステンレス加工 ( 板金、溶接、研磨など ) 専門のクリエイティブカンパニー

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CASE02
株式会社サラダコスモ
岐阜県中津川市
株式会社サラダコスモ
請負内容…もやし栽培タンクの製造
オーガニックもやし・スプラウト野菜・チコリなど発芽野菜の製造販売で国内最大手。
ラムネともやし製造の家業を28歳で引きついだ中田社長は、副業であったもやし事業に専念し、無添加・無漂白もやしで業界の常識を破り、大胆な規模拡大により一躍業界トップクラスに成長されました。その後も国産チコリの生産や、廃棄されるチコリの根を使用した芋焼酎の開発、6次産業化のモデルケースともなったちこり村の運営等、多岐に渡る事業を展開しておられます。その型破りな経営手腕はカンブリア宮殿等のTV出演を始め、数々のメディアにも取り上げられ注目されています。今回はそんな超多忙な中田社長じきじきにお話しを聞くことができました。
株式会社サラダコスモ
代表取締役社長 中田 智洋様
光和工業株式会社
代表取締役社長 安田雅也
営業技術部長 小澤 英樹
ステンレスなんてそんな贅沢な素材を使える身分ではないと思っていましたよ
安田
サラダコスモ様とお取引が始まったのはもう15年前になりますね。当時はプラスチック製の栽培タンクでもやしを製造されていましたが、なぜステンレス製に仕様を変更されようと思ったのですか?
株式会社サラダコスモ
中田様
(以下 中田様)
以前の栽培タンクは耐久性がなかったのですが、もやし製造ではそれが主流でした。だから何の疑問も抱いてはいなかったのですが、実は昔お世話になった方がたまたまステンレス素材メーカーに出向されて、ステンレスの需要が減少してきているから、野菜生産者さんとして何か用途はないか?と相談があったのです。あれこれ試案して、栽培タンクに使用してはどうだろうと思いついて試してみることにしたのです。
安田
そんな経緯があったのですね。
中田様
当時主流だったプラスチック製とステンレス製では価格が雲泥の差。販売単価の安いもやし製造では、こんな贅沢な素材を使える身分ではないと思っていましたよ。例えるなら飛行機のエコノミークラスからファーストクラスへ乗り換えるようなもの。ステンレス自体の価格はもちろん、さらに加工賃もかかる。だから最初は中国で試作品を作ってもらって試してみたんです。
安田
加工賃は国によって大きく違いますからね。
中田様
そうなんです。しかし、それを試験栽培に使ったらトラブルが出るわけです。仕上げも粗雑でしたが、驚いたのは錆が出てきたこと。これではダメだと思い弊社の本社がある中津川の近くで、ステンレス加工でいい技術を持っている会社を改めて探したところ、光和工業さんにたどり着きました。
早速工場を訪問させていただいて、職人さんの様子やステンレス浴槽等の製品を拝見しました。これはいいなと思いましたね。特にステンレスの角をアール形状にする技術なんかが本当にすごいなと。
小澤
当時いただいた概略図をもとに弊社で設計しましたが、その際に弊社が得意としていた浴槽の板金技術を活かして角を全てアール形状にすることを提案させて頂きましたね。まずは試作品を作って実際に試して頂いて、何度か改良を重ねて現在の形に落ちつきました。
安田
おっしゃる通り、角を滑らかなアール形状にするには熟練した職人技術が必要です。ハンマーで叩いて形状を整えながら溶接し、強度を上げるために更にハンマーを打ち込む。一台一台を手作業で加工するので、時間もかかりますが、品質には自信を持っています。
中田様
御社の技術には本当に驚きましたよ。結果的に、もやし製造にはステンレスが非常に向いていました。このタンクのお陰で私たちの作業効率と品質は劇的にアップしたんですよ。
安田
具体的にどのような利点があったのでしょうか?
中田様
か弱いと思われがちなもやしですが、育成中はタンクも変形してしまうくらいの力で膨らみます。ステンレス製のタンクは強靭に作っていますから変形しませんね。
以前は収穫時にタンクの中でパンパンになった状態をほぐすことから始めていたため、非常に時間がかかっていました。ステンレスタンクなら、リフトで持ち上げて逆さに落とし、その勢いで取り出すと一気にほぐれて収穫しやすくなるんです。まさに逆さ落としです。内側の側面を末広がりにしたため、するりともやしが落ちてくる。この工程は粗雑な溶接だとタンクが壊れてしまいかねませんが、これまで光和工業さんに製造して頂いたタンクは10年以上使用しても全く問題が出てこない。そこは御社の技術力と品質の高さでしょうね。
安田
ありがとうございます。でも残念ながら買い替え需要は発生しませんね(笑)
中田様
さらに、もやしの品質が格段に安定しました。以前はバクテリアを繁殖させないように消毒液を使用していましたが、ステンレス製になったことで高熱殺菌処理が可能になりました。プラスチックでは高熱にさらすわけにはいきませんが、ステンレスであれば高温の蒸気殺菌ができるのです。消毒液を使わずに蒸気熱で隅々まで殺菌が可能ならばそれが一番ですからね。
安田
いいことづくしのようですが、あとは価格ですかね(笑)
中田様
まあ安い設備ではないですね(笑)。工場を拡大していく過程で、確かに一時はステンレスを使わない方法を考えたこともありました。栽培容器は大量に必要ですからね。ただ、現場の意向としては品質においても、作業効率においてもステンレス製の現在のタンクが一番ということでした。そういった経緯もあり、私どもの新工場でもやっぱりステンレス製です。もう今はこれしかない。
安田
より長い期間ご使用いただくことで、ゆくゆくはコストダウンに繋がることを願っております。
中田様
栽培容器をステンレス製に変えたことは本当に良い結果を生みました。これほどまで納得できる仕事はなかなかありませんよ。ステンレスという素材がもつ耐久性と御社の高い加工技術。これらを生かした新用途が今後も期待できそうですよね。もやしの栽培容器なんて全くの新用途でしたから。ほかの分野でも非常に高い可能性を秘めていると思いますよ。
安田
ますます成長されるサラダコスモ様のスピードに置いてかれないように、弊社ももっと進化していきたいと思っています。真面目一徹の職人ばかりですが、手づくりならではの品質を維持しながら、創意工夫によってコストバランスを図っていくこと。また、本日お話しいただいた貴重なご意見を生かして、新用途への提案も行っていきたいと思っておりますので、引き続きご愛顧いただければと思います。
中田様
こちらこそ、御社との出会いは本当にありがたかったです。今後ともどうぞよろしくお願いします。
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